「放射線の誤過照射により被爆と同じ状態」って何?

Internet Journeyの「10/20 脳腫瘍の治療で、17回にもわたり放射線を誤過照射??16歳少女が死亡」。
この話自体は前から聞いていて、痛ましく思っていた話だったのだが、文章中の一点が少々気になった。

ところがその2日後、リサさんが両親と弟と共に住む自宅を訪問したセンターの関係者から、人的ミスによりリサさんが放射線の誤過照射により被爆と同じ状態になった恐れがあるとの知らせを聞かされ、家族は天国から地獄に突き落とされたような思いをさせられたという。

いただけない。「被爆」というのは読んで字のごとく、弾の害をる事。確かに広辞苑(第五版電子版)には2番目の意味として

特に、原水爆の被害を受けること。放射能を受けること。「?者」

というのが上がっているが、この例、明らかにおかしい。「被爆者」は原水「爆」を「被」ったから「被爆者」なのであって、放射能を受けた人が「被『爆』者」なのではない。まあここでおかしいと言っていても、これが現代文における意味となっていくのであろうなあ。


話が脱線したが、以上を踏まえても、なおもおかしい。仮にこの「被爆」を「放射能放射線)を受ける事」を意味する「被曝」と置き換えるとどうなるか。

放射線の(過誤)照射により被曝と同じ状態になった

なのである。放射線を照射したんだから、それは同じ状態も何も「被曝」なんである。なーんにも新しい情報量が加わっていないのである。過誤照射によりどのような状態になったのかと言う肝心要の情報が落ちちゃっているのである。


原文見りゃいいんだろうけど、リンクを貼るどころか出典すら書いてないのだよなあ。さすがにこの程度の疑問でそこまでするほどには閑じゃない。