「タバコを吸うとハゲるぞ」

たばこの影響に関して、理論的に考えれば当然の帰結ともいえそうなのだが、実に興味深い研究結果が報告されたようだ。


科学ニュースあらかるとさんの11月27日付け記事によると、『喫煙は「毛髪が薄くなる」危険性を増加させる』という結果が、アジアの男性を対象とした研究から明らかになったそうだ。


その研究とは、一般的に西洋の男性達に比べて毛髪の減少傾向がより穏やかなアジアの男性達について、

毛髪が減少し始める年代の男性達を対象にした研究を行い、彼らの抜け毛に影響したかもしれない危険因子についての情報を収集

したところ

1日あたり少なくとも20本のタバコを吸っているという要因は、他の危険因子が考慮に入れられた後にさえ、毛髪が減少する危険性をより高める、という傾向を示していた

というものである(強調引用者)。


機構としては、

喫煙という行為によって毛嚢が破壊される、毛根に存在していて血液とホルモンを循環させている細胞が損傷を被る、などの事が起きるのかもしれない

ということを挙げている。喫煙による循環器系や皮膚の劣化(しわ・色)というのは既に知られていることであったのだから、毛根→毛髪の部分の劣化も、十分予想の範囲内の報告と言えるのではなかろうか。



記事の末尾はこのように〆られている。

喫煙という行為は、既に腫瘍や心血管障害を含む、さまざまな病気に関連づけられています。


喫煙によって、血液が凝固する傾向が増加するという事が知られています。それは生命に危険を及ぼす、心臓発作や脳卒中のような状態が生じる危険性を増加させます。


また、タバコの煙に曝される事は、しわや胡麻塩頭といったような老化の他の徴候にも関連しています。

往々にして「がん」ばかりが取り上げられがちな喫煙による影響なのだが、循環器系への影響というのもかなり大きいものときく。ただ、いずれも即効性のあるものでなかったり、もともとが多因子の影響をうけるものであったりとか言うこともあり、なかなか喫煙を擁護したい愛煙家の心にまでは届きがたかったように思う。



しかし、「煙草を吸うとハゲるぞ」というのは男性に対しては、もしかしたら、これらの深刻な疾患の危険性が増加するということよりも、大きな禁煙圧力――特に若年層に対して――となるような結果であったりはしないかな、と思った次第。

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