「探偵ガリレオ」『壊死る』

先日のドラマがあまりに腑に落ちなかったので、原作とされる小説「探偵ガリレオ」の該当話である『壊死る』を立ち読みしてみた*1


案の定というべきか、[これはひどい]な原作スポイルであった。

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原作では「一度のやけどに相当する表皮のみの壊死」などと無駄・無用・無意味な詳細は書かれていない(多分)。「プローブを胸部に近づけて超音波を発信し、超音波の衝撃で心臓が止まり、その際にプローブが近づけられていた皮膚が壊死する」という趣旨の記述があるのみである(多分)。その他全体的に、これならば色々と納得である。


要は、作品およびキャラクターの名前とアイデア絡みのキーワードだけ借りた、まるっきり別の話である*3これを「原作」と呼ぶというのは、原作スポイルというのみならず、日本語に対する破壊行為でもある。せめて「翻案」と呼んで、原作とはある程度の距離をおくべきだ。

*1:TV版があまりに腑に落ちなかったので、買おうという気が起きなかった。小説家にとってもむしろ逆宣伝なんじゃね?

*2:不正確かもしれないけど、一応ネタばれ避けにこの程度の記述にしておく。

*3:むしろ、キーワード(キーアイテム)が共通ではなくても、もう少しアイデアのコアとなっている部分をうまく借りる方法ってあると思うんだ。その意味では脚本家とかの能力についてもどうかと思うな。まあ「大人の事情」でのっぴきならぬ部分もあるんだろうけど。