嗚呼、玉杯に花うけて
呉智英『言葉の常備薬』の「漢語だから誤読」にて、『嗚呼、玉杯に花うけて』*1の歌詞は
嗚呼
玉杯に花うけて 緑酒に月の影宿し
治安の夢に耽りたる栄華の巷低く見て
向ケ岡にそそりたつ 五寮の健児意気高し
であるとの記述があった。
「玉杯に花うけて」から「治安の夢に耽りたる」までは、一高生が「低く見て」いる「栄華の巷」の話だというのだ。
なるほど。いわれてみればその通りだ。気づかなかった。呉智英が言うとおり、一高生が、酒盛りをしているのかと思い込んでいた。
厳しく見える漢語の落とし穴の例として挙げてあるのだが、そのように高尚であるかのように惑わされやすい漢語の多用を避けた現代語訳がつけてあり、これが笑える。
ね。比べてみれば意味を大きく外してはいない。受ける印象はえらく異なるが。