『ぼくんち』西原理恵子

以前買っていたのを見つけて再読。名作だが、限りなくダウナー系。鬱になる*1


著者の視線はやさしいかも知れぬが決して甘いものではなく*2、そして描いている世界がシビアすぎて、ほとんど異世界のようだ。このように感じられるというのは幸せ者なのだろうか。18世紀のイーストエンド、もしくは戦後の闇市が舞台というのでもあるまいに、ほぼ現代の日本を舞台に、このような作品が描かれるというのは一体何なんだろう。

ぼくんち―スピリッツとりあたまコミックス (1)ぼくんち (2) (スピリッツとりあたまコミックス)ぼくんち (3) (スピリッツとりあたまコミックス)

*1:から作品には立ち入らない。

*2:そのあたり、同じ西原の叙情系というくくりで語られてはいるが、逃げの余地を残している「ゆんぼくん」とも、雰囲気はまるっきり異なるように思う。もちろん一部繋がっているところもあるのだが。