『街角のイギリス英語』大村善勇

借りた本だから、返す前に面白かったところをメモ。

街角のイギリス英語 (丸善ライブラリー)

街角のイギリス英語 (丸善ライブラリー)

1980年末から5年英国に在住した著者が、その間に見聞きした言葉を中心とした「おや」と思ったメモをまとめた本。断片的な話の集まりだし、人によってはなんだよイギリスにすんでたことを鼻にかけやがって、と思ったりするかもしれないような部分もないではないが、イギリス英語と英国に関する雑学的で、それでいてそこそこ実用的な知識がそこそこ入った本。

  • p.29〜『数え方に関するきまり』

『「群れ」を指す特殊な単語』に関して、英国人の友人が即座に書いてくれたと言うフレーズ

a shoal of fish(またはa school of fish)、a pride of lions
a flock of sheep, a herd of cattle, a gaggle of geese,
a swarm of bees, a swarm of locusts, a grove of trees

子供向けの本にあった「crazy collectives」

band of gorillas , knot of toads
bed of clams , leap of leopards
bevy of swans , leash of greyhounds
cete of badgers  , nest of vipers
chattering of choughs , school of fish
congregation of plovers , skein of geese
exaltation of larks , sounder of swine
flock of sheep , volery of birds
gaggle of geese , watch of nightingales
gang of elk , yoke of oxen

ライオンの群れがプライドだったりするのは前から聞いていたし、童謡『メダカの学校』が「school of fish」の誤訳に由来するというのも有名な話ではあったが、こんなにもいろいろな呼び名があったとは。

日本語の数の数え方を一方的に特殊視するのはやはり間違っているということか。

  • p.71〜『地名に見る歴史』

先日も触れた「バラ」について

burghはborough(城、とりでの意)のスコットランド語型であることが分かり、さらにburyも、burghの与格であることが明らかになりました。即ち、Salisbury(ソールズベリ)、Peterborough(ピーターバラ)、Edinburghエディンバラ)のそれぞれの町を意味する接尾辞(ベリ、および、バラ)は、どれも同じ語源から派生したものと言うことになります

ベリも同じ語源とは知らなかった。

  • p.85〜『undergroundとsubway

英語と米語の比較についての一連の文章中で。

英語と米語の発音の違い(略)の顕著な例が、「T」の音

例えば、英国人が発音すると、motorwayは「モツウェイ」、tableは「ツェイブル」というように聞こえると言うのです。

これに対し、米語は、waterが「ワラ」と聞こえることで代表されるように、「T」の音を、締まりが悪く、「L」に近い音で発音するというのです。英国では、waterは「ウォーツァ」に近い音で発音されます。

『締まりが悪く』あたりに贔屓感情が伺える気がする。それはともかく、米語発音のみを「本物」視して教えることで遠ざかることがこの辺りにあると思うんだが。

  • p.96〜『ステーキの焼き方』

おそらく最後の方はジョーク。

Blue, Rare, Medium to rare, Medium, Medium to well, Well-grilled, Ruined

  • p.111〜『食べ物の名前』

体長三〜五センチメートルの小魚をフライにして、皿いっぱいに盛ってくれる料理で、レモン汁をかけて食べると最高です。
この料理の名前が、white-baitというのです。

  • p.183〜『風車のある風景』

映画「チキチキバンバン」の風車は、実在の風車小屋を借りてロケしたもの。

ヘンリー・レガッタで有名な、Henley-on-Thamesの北約五マイルにある、Turvilleなる村に今もあることが分かりました