佐藤参院議員「駆け付け警護」発言関連
この件に関しては随所でぶくまコメント等をつけているので、とりあえず木走日記さんのエントリを受けた形で、自分の現在の意見を100字の制限がないところでまとめておく。
万一の事態に対しての指示を要求して、非戦闘地帯だからとの回答を得、はいそうですかと思考停止するような指揮官なら落第だろう。
要はそもそもシビリアンコントロールが機能していなかったのである。
それはシビリアンコントロールを受ける側に受ける姿勢があったにも係わらず、行うべき側がシビリアンコントロールを行うことを放棄したのである。
それは当時から明らかだった。その、当時からわかっていたことを、当事者がそのように発言したからと言って*1叩くのは、ようやく獲物が罠にかかったとはしゃいでいるようにしか思えない。
軍は政治の道具である。正しい。
しかし、その道具に、空気を読んで(=政治的に)判断することを求めたのだよ、シビリアンコントロールをすべき側が。それを狂っているとは思わないかい?
先と同じく理想論の議論に終始して、根源に遡ることなく、「ヒゲの指揮官」を切り捨てて終わりにすることは、また同じ事態を招くだけだろう。
一方で、この発言を「人間として正しい」だの「悲壮な決意」だのと情緒的に持ち上げる気持ちにもならない。前者については、決意した内容は、少なくともその表現される所では公人として間違っているようにしか思えないし、後者については、悲壮ではなくもっとrealisticで冷徹な決断であったと(すくなくともそうあって欲しいと)思う。*2
どちらも情緒的な政治利用に使うだけでは、今後とも現場の人間は救われないだろう。
全体的な感想としては、finalvent氏が読売の社説「平和協力活動 自衛隊の武器使用を国際標準に」につけたコメント『これは大筋で読売が正しいとしか言えない現実があるのだが、たぶん、どうにもならないだろう』に、比較的近い。