『Holes』Louis Sachar

2001年に出張に出たときに、Popをつけて紹介されていたのを見かけ、なんとなく惹かれて買った児童小説である。その後で評判の小説と知り、良い買い物をしたと思ったところまではよかったものの、英語ゆえに読み進められずに放り出していたのだが、今回ようやく読了した。


「読み進められず」と書いたが、児童書であることに加え、かなり短い章に分けた形で構成されているため、実際のところはかなり読みやすい。読み進められなかった理由としては、どうも子供いじめ小説のようで読み進められなかったこともあった(言い訳)。しかしいったんそれ*1を乗り越えて先に進むと、物語にぐんぐんと引き込まれていった。


主人公Stanley Yelnats(回文になっている)の話と、その祖先の話とが、織り交ぜられて語られ、謎と伏線がばら撒かれていく。そして、最後にそれを一気に回収していくところが実に見事で、爽快感すらある物語である。


日本語訳も文庫で出ており、日本未公開ながら映画化もされているらしい。また、作中の脇役を主人公にした続編(?)もあるとか。

内容(「BOOK」データベースより)
無実の罪で少年たちの矯正キャンプに放りこまれたスタンリー。かちんこちんの焼ける大地に一日一つ、でっかい穴を掘らされる。人格形成のためとはいうが、本当はそうではないらしい。ある日とうとう決死の脱出。友情とプライドをかけ、どことも知れない「約束の地」をめざして、穴の向こうへ踏み出した。(Amazonより引用)

Holes (Holes Series)

Holes (Holes Series)


ただし持っている本の書影は↓

実は作中に出てくるトカゲと、特徴が微妙に違ったりするのだが、足掛け7年もこの書影を見ながら積読してきた分、もはやこれでないと受け付けない気分。

*1:英語の壁と物語世界の壁