「ドリームガールズ」(字幕)★★★★☆

ミュージカル。以下ネタばれ。




前半は白人中心の音楽業界の中で、黒人女性ボーカルグループと黒人レーベルが手に手を取り合ってのし上がっていくサクセスストーリー。

その過程で、「売る」ために、本来のメインボーカルであるジェニファー・ハドソン演じるエフィ(歌は絶品だけど太っちょでルックス的には落ちる)がビヨンセ演じるルックス抜群のディーナと交代するという挿話が入る。ここで歌われた、「われわれは団結し、大空に枝を伸ばす巨木のごとき家族」というバラード「ファミリー」はなかなか良かった。


そしてドリームガールズは世界的なグループとなっていく。このあたりまでは実に爽快に話がすすむ。


しかし、しこりは残った。グループ名ドリームガールズが徐々にディーナ&ドリームガールズとなり、ディーナばかりが目立っていく中でエフィーの不満が蓄積。レコーディングや舞台での勝手な行動が目立つようになり、ついに追放。


ディーナの夫となった黒人レーベルの社長は、そのエフィーのカムバックに当たっては、かつて白人レーベルにされた仕打ちそのままに、露出の機会を奪っておいてパクルということまでを行う。


かくて心がばらばらになったかつての「家族」は離れ離れになっていく……。



概ねこのような筋の話だが、エフィの追放のあたりでのエフィの自己主張などは醜くて、とてもじゃないが聴いていられなかった。この件だけでこの映画を嫌いになることだって可能であったくらい。

ただ、最後がいけない。解散コンサートでエフィも加えてかつてのテーマソングを歌う件など、ほとんど理由らしい理由もなく泣けてきてしまった。最近なぜか離別というものに弱いのだ。

ともあれ、まあ勝ち負けで言えば負けということで、甘めに高評価。


ところで、この話はあからさまにダイアナ・ロスがモデルなんだが、どこまでが実話なんだろかね。とりあえずディーナはダイアナ・ロスに比べれば随分と性格が良いように描かれているが。