バブルへGo!! タイムマシンはドラム式

ここのところ、極端に娯楽に走っている気もしないでもないのだが、標題にある映画を観に行った。総評としては、大画面で見る作品かどうかは別として、エンタテインメントとしては良くできた作品であるように思う。


映画の筋としては、800兆円の借金を抱え2年以内に国が破産・破滅するという状況の2007年の日本国*1で、偶然開発されたタイムマシーンを利用して、1990年に戻ってバブル崩壊の引き金となった不動産取引融資規制を撤廃させようという財務省の秘密プロジェクトが行われた。そこにフリーターの広末が、色々あって送り込まれる羽目になったというドタバタを描くコメディである。


全体に、バック・トゥ・ザ・フューチャーという先行するタイムトラベルものエンタテインメントへのオマージュがあり*2、1990年代もなかなか上手に再現しているし、エンディングのとって付けたようなところを除けば*3意外に楽しむことができた。


しかし、1990年は経験しているんだが、画面に出てくるような1990年は経験していないなあ。札ビラ切った記憶なんてないぞ。ディスコもいかなかったし。まあホイチョイプロが描く90年だから、貧乏学生の経験した90年とは大きく隔たりがあってしょうがないとは思うが、ほんとバブルの恩恵をあまり受けてはいないのだなあ、と痛感できる作品であった(笑)。


写真はオリジナルサントラのもの。

「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」オリジナル・サウンドトラック

文章を一部修正(02-15)



追記:超映画批評の評が非常に的確!

むろん、上記ストーリーから一瞬連想するような社会派SF、すなわち経済問題等を過去からシミュレーションする知的な作品なんぞを期待してはダメだが、タイムスリップをネタにしたコメディとして見れば、すこぶる出来のよい一本であった。

しかも痛快なのは、彼らがそんな自分たちのやったコト、消費至上主義を日本に蔓延させたことを、これっぽっちも反省せず、堂々と肯定しているということだ。この映画に彼らは、近年流行っている格差社会への批判とか、そういうありきたりなテーマを盛り込まなかった。このストーリーを、それをやらずに仕上げた勇気は大いにほめるべき点だ。この作品のラストシーンのこの上ない気分のよさはそんな彼らの潔さから生まれている。

そしてid:partygirlさんや同サイトでのコメントを見ていたので納得できたのが以下の一行。

日本人、それも当時都市部に住んでいた30代〜40代あたりのごく狭いマーケットの人しか楽しめないであろうこんな企画

なるほどね(苦笑)

*1:しゃれになんねー

*2:船上ダンスパーティの件なんかは、バック・トゥ・ザ・フューチャーのギター演奏のシーンを髣髴とさせた。

*3:そういう意味では「主張」―あるのかどうかは知らないが―にはあまり同意しない。