ついでに

Macにうたい文句どおりの仕事をさせるには膨大な拡張パーツと高価な周辺機器が必要で、個人で、そんな金が出せるのは医者と弁護士くらいしかいないと言われたものだ。

確かに80年代後半というと、Macintosh IIが1987年。IIでDTPをするにはざっと200万はかかっただろう。もっと? だから、その意味では正しい。しかしその当時は普通のPCですら、本体20万台超、高解像度ディスプレイに10万、プリンタはドット・インパクト・プリンタでさえもそこそこの値段。HDDなんざ一般ユーザーは使用しない(できない)。そのレベルでざっと見積もって、ある程度の仕事をさせるにはやっぱり50万以上はしたんではなかったか。もっと?


成果物のレベルは天地であったにもかかわらず。


まともに使うには「膨大な拡張パーツと高価な周辺機器」が要ったという点では、定性的には同じだったんである。*1


しかし80年代も末になれば、89年にはSE/30やciが出てくる。そのころにはさすがにレーザーライターなどは相変わらず高価であったものの、それ以外は本体だけでおおむねすむようになっていたはずだ*2


だから90年代に入れば、学生レベルでも小金を持つ人間はこぞって本体だけをとりあえず自前で買い(siやLC、vx(笑)*3などを)、プリントアウト時だけ共用のプリンタを使用するようになっていた(まあそれ自体はPCでも同じか*4)。安くはなかったけどさ。少なくとも90年代前半までは、得られた成果と投資を考えれば、Macにはるかに分があったはずだ*5


というか、ある程度図表や写真類(音関係もそうか?)を扱う分野では、事実上他に選択肢がなかったのだ。今若干なりともMacの勢力が残っている分野そのままでしょ。*6


やっぱ少なくとも時代を勘違いしているんじゃないかな。「断言」はしないほうがいいと思うな。

*1:定量的には確かに数倍したのだが、くどいようだが、それに見合う成果が欲しければ、他に選択肢がなかったのだ。

*2:追記:価格自体はまだ高い。というか、メモリやその他、確かにある程度本体価格への上乗せは必須だったんだっけ?ciで120万程のようだ。SE/30で約80万というのは印象に残っている(どこまで含んでの価格であったのかは忘れてしまったが)。

*3:追記:これの本体+13インチディスプレイで30万程だったかなあ。それでもちゃんとCD-ROMドライバ付だったのだ!!今じゃ全く当たり前だけどね(苦笑)

*4:追記:そうでもないか。少なくとも比較的周辺にはドットインパクトのプリンタをもっているのがいたなあ。

*5:追記:90年代になるとカラーのインクジェットもどんどん安くなってきたしね。

*6:ほぼテキストだけで済むような分野であれば、初代Dynabookなんかも重宝されたものだ。