ついでに。こう言うものもあった

Open ブログ: ◆ 外来語表記

外来語表記の「ジ」を「ズィ」にしよう、という提案がある。(朝日・朝刊・投稿面 2006-08-05
 しかし、これは、言語的には根源的におかしい。

「根源的におかしい」かどうかは別にして、その「結語」については理解できる部分がある。私が日本語のアルファベット表記法については、ヘボン式は嫌いで訓令式を基本としたものにすべきだと考えている理由と近い部分が含まれているからだ*1。以下に主張の一部を抜粋:

では、どうすればいいか? 実は、どうしようもない。日本語と英語はもともと異なるのだ、と理解するべきだ。
 「英語は親のような高級な言語であり、日本語は子のような低級な言語であるから、低級な言語は高級な言語をなるべく正確に再現するべきだ」
 なんて思うべきではない。そういう価値観が根源的に狂っている。

こういうことは、つまり、「異なる言語はそれぞれ独自のパターン認識をなす」というだけのことだ。一方の体系が他方の体系では通用しないことがあるのは、当然のことだ。
 外国語を知るということは、自国語を捨てて外国語に服従するということではなくて、自国語と外国語とを二つの体系としてともに取り込むということだ。そこには優劣はない。切替があるだけだ。

ともあれ、「英語を正確なカタカナで表現しよう」という提案を聞いたら、馬鹿にして一蹴するのが正しい。

以上引用。


しかしこの中の、

「英語は親のような高級な言語であり、日本語は子のような低級な言語であるから、低級な言語は高級な言語をなるべく正確に再現するべきだ」

ってほんとに「竜」?これまた、ただの「風車」じゃないのか?


日本語の音体系の中で、より幅広い音韻の表現法を求めて、それを正書法に定めること自体は別にいいんじゃないの。


というかそもそも、元記事が分かんないんだけど、「外来語表記の「ジ」を「ズィ」にしよう」とえらく一般的な表現で書いてあるけどほんと?んでもって、それを「根源的におかしい」と捉えるその理由がおかしいんではないか?

(1) 母音の付加
 そのように変えれば、子音はいくらか正確になるが、余計な母音が付く。それは u の音である。 i が ui になってしまう。これはあまりにもひどい。

(2) 母音の省略
 では、余計な母音( u )を省略して発音すればいいか? そうすると、今度は、必要な u が発音されない、という難点が生じる。次のように。
  ・ クィーン → キーン
  ・ ウィーン → イーン
  ・ スィート → シート
  ・ ツィン  →  チン

ここで挙げているのは、日本語の正書法が日本語にない音をカバーしていない*2ところから来た、混乱だよね、要は。色んな音に対応した表現をとりたいと言う要求がある以上、ローマ字表記も含めて、正書法できっちり定めるってのは良い事なんじゃないの?

*1:英語と日本語だけが言語じゃないのだ!!

*2:まあしょうがないといえば、しょうがない話だよなあ。