小出裕章氏が語る「危険すぎる六ケ所再処理工場」

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体温が1度病気で上がっても元に戻りますが、放射線で1000分の1度上がるような量を浴びただけで死んでしまうのです。また、燃えたウランは1mgで、灯油2リットル分のエネルギーしかない。それが20時間かけて燃えたのですが、それでも犠牲者が出て、500m先で法令の基準を超えて被曝した人が出ました。それだけ怖いものです

「拳銃弾で有意に体温が上がらないような量を浴びただけで死んでしまうのです。」
カニズムが違うものを比較して、エネルギー量の比較だけで恐怖を煽っていてもしょうがなかろうに。


核兵器開発の歴史と原子炉の関係

(略)そもそも原子炉とは、いまでこそ発電のためのように思われていますが、原爆をつくるためのものです」

「そもそもインターネットとは、いまでこそコミュニケーションのためのインフラのように思われていますが、軍の指揮系統を維持するためものものです」
「そもそもOR(オペレーションズ・リサーチ/オペレーショナル・リサーチ)とは、いまでこそ経営のためのように思われていますが、軍の作戦をつくるためのものです」
いくらでも作れそうだな。

「そもそも火薬とは、いまでこそ工事などでも有用に使われていますが、軍事利用のためのものです」
当たり前すぎて詰まらん。逆には、


「化学は錬金術のためにしか使えないものではありません。」


ってのはどうだ?


 「しかし、実際、IAEAの査察の半分は日本が対象。日本はいつ核兵器を持ってもおかしくない国とみなされている」

本当に2006年2月の講演?しかも「IAEAの査察の半分は日本が対象」はどう考えても誤認。



以下に引用するものは、「朝日新聞 2004年6月15日」の記事らしい:

国際原子力機関IAEA)は14日、日本の原子力利用には「核兵器転用の疑いはない」と認定し、査察回数を半減する方針を明らかにした。この日開幕したIAEA理事会で、エルバラダイ事務局長が表明した。日本のような大規模な商業発電施設を保有する非核保有国に対し、査察の簡素化が認められるのは初めて。
(略)
日本での査察がIAEAの全査察費用に占める割合は10%に達する。日本の査察軽減で、イランなど核兵器開発疑惑国の査察に資金と人員を振り向けられるようになる。
(略)

2004年に半減が決まったのだから、今は5%程度?5%の費用で50%の数をこなせるなんて、日本の査察に要する費用は少ないんですねえ。


しかし、そもそも、2600年くらいしか歴史のない国が、この後、何百万年も責任をもてるのですか。

日本は2600年も歴史ないとおもうぞ。何気に皇国史観だね。後半は結構同感。というか、何百万年と言う必要もなかろう。個人的には「何万年」はおろか「何千年も責任をもてるのか」でも相当に言い過ぎだと思うぞ。


また、人類が始まって以来、20世紀だけで57%のエネルギーを消費してしまっている。これでよいのか。エネルギー浪費から抜け出す必要があるのではないか。その第一歩として核=原子力を廃絶することだ

ふーん。第一歩が供給を絶つことなんだ。えらくハードランディングがお好きなんだね。わたしゃ軟弱な臆病者だから、そういうハードランディングシナリオは真っ平ごめんだが。




個々の内容としては、そのような啓発に意味がないとは思わない部分も多そうなんだが、とにかくはじめに結論ありき。極右も極左も頭のつくりは同じだな。全体の印象としては、原発に反対なのか、軍に反対するためのツールなのか。本当にこの通りに話したのなら*1、まあ団塊さんらしい話の構成。

*1:ま、(多分非専門家の)メモだから、その段階での誤認なんかも入ってるんだろうけれども。