スーパーマン・リターンズ

このタイトル、色んな意味で邦題は「帰ってきたスーパーマン」だよなあ。まあ日本には既に人口に膾炙した「帰ってきた」があるので、仕方ないが(そか?)


キャストであるが、新スーパーマンは、クリストファー・リーブより目は青みがかっていないが、それ以外はかなりクリストファー・リーブに近い印象を与える。うまい子を見つけてきたもんだ。またヒロインのロイスは、元のロイスより好感度アップ。


内容にはいる前にまず最初に断っておくが、実は私はクリストファー・リーブ版をほとんど観ていない。とはいえ、基本的な知識くらいは持っているから、どうやら前のシリーズの設定をほとんど受け継いでいるようだとは推定できるが、その整合性については判断できない。

クリプトン星の位置を自ら確かめるために、誰にも言わずに地球を離れたスーパーマンが、5年の間をおいて帰還との設定。国産「帰ってきた」のように、もっと思い切って変更されているのかと思ったが、相当忠実に世界観を引き継いでいる様子。本当に約18年ぶりの「新作」って感じだ。


さて、内容であるが、所詮アメコミの世界である。単純に思い切って世界に没入してストーリーを体験できればかなり楽しいだろう。


言い換えれば、考証レベルで違和感感じまくりなのだ。いやー、思い出しちゃった。なんで前シリーズを観ていなかったか。観てて「おいおい」と突っ込みたくなったり、「そりゃないだろう」と言いたくなったり。ま、年齢を重ねた今となっては、「それも味」と割り切って楽しむことはできたが。

考証というものが、製作者の自己満足ではなく、観るものにスムーズにその異世界に移行させるための装置であるということがよくわかる作品である。と同時に、アメコミ(やスペオペ)は、それを込みで楽しむものだということも。


もっともことスーパーマンという話に限定すれば、この作品は、前作までのほとんど破綻した世界観を実に忠実に受け継いでいて、その点では実に見事なんではなかろうか。これはこれで賞賛されるべき考証の成果かもしれない。


ともあれ、楽しかったよ*1

*1:念のため補足しておくけど皮肉とかじゃないよ。