早期英語教育関係
関係した本をいくつか*1読んだところから:
- 私立校等でこれまでに既に行われてきている早期英語教育について、どの程度効果があるものかに関する、まとまった報告はあまりないらしい。
- 限られた例からは、小学校で英語教育を行った効果は、中学入学後半年から1年程度の優位性を、もたらす(しか、もたらさない)らしい。
- 発音、音認識等も含め、最終的習熟度や到達度において、有意な差は得られていないらしい。
- 小学校時代の英語教育において、子供が思い込んでいる英語レベルと現実的なレベルとのギャップ、さらに背景の差(出身小学校、自費英語教育など)から各個々人の英語レベルがまちまちになってしまうことによって、中学段階での英語教育において、習熟度(事前の勉強の度合い)毎のクラス分けの必要等、混乱が生じているらしい。
- 前者はどの科目においても予習塾一般に普遍的にあるような話だから、どーでもいいと言えばいいか。
- 後者も、他の科目でもそうすればよいという話とも言えるか。
- カナダ*2等の事例では、母語のフレームワークを確立した以降に勉強を開始した場合の方が、到達度が高いという報告もあるそうだ。
で、基本的に思っていることを改めて:
- 早期英語教育を、新規に開始するのって、やっぱリソースの無駄じゃね?
- そもそも対応できる教員ってどの程度いるのさ?
- 多分、基本的に既存の教員では対処できないので、アルクなどの外部業者を潤すだけでしょ。必然的に内部で対応するよりは高コストで。そこに流れるリソースを、「ゆとり教育」の弊害とやらに対する対策などに使うのが先決なんでは?
- 論理能力、批評能力*3などの、外国語にとどまらない一般的な言語運用能力の向上だけでも、真面目にやればずいぶんとリソースをくうんじゃないのかなあ。
- それをやるのはどの科目かというと「国語」だから、コミュニケーション能力を上げることが要求されているのであれば、「国語」に力を注ぐのが筋なんではないかと思うんだが。
- 世の「国語>英語論者」はそういっているだけなんでは?
- ま、最下層でいいからとにかく外国に属することを最重要課題と考えるような方向けには別の考え方もあるかもしれないけれど。
まあ私には関係ないんだがね。