太陽神
Wikipediaの「太陽神」という項目における例示が変。私が見た版へのリンク:
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=太陽神&oldid=6191850
太陽神の一覧
- インカ神話 - インティ
- エジプト神話 - アテン、アトゥム、アメン、ケプリ、プター、ホルス、ラー
- ギリシア神話 - アポロン、ヒュペリオン、ヘリオス
- ケルト神話 - ルー、ベレノス
- 中国神話 - 羲和、蜀陰、火鳥
- 日本神話 - 天照大神、摩利支天?
- ペルシア神話 - ミスラ
- 北欧神話(ゲルマン神話) - バルドル、フレイ
- メソポタミア神話 - シャマシュ
- ヒンドゥー - アグニ、アンサ、インドラ、ヴァルナ、スーリヤ、ミトラ、ヤマ
- ローマ神話 - アポロ、ソル、ヘリオガバルス
- インド神話 - ヴィシュヌ、スーリヤ、サヴィトリ、プーシャン
- オセアニア神話 - ランギ、カネ・ヘキリ、タマ・ヌイ=テ=ラ
- スラブ神話 - ダージボグ、ベロボーグ
- フェニキア神話 - シャプシュ
- メキシコ神話 - ケツァルコアトル、インティ、トナティウフ
- モンゴル神話 - ナラン
まずわかりやすいところで言えば、「摩利支天」が日本神話って何の冗談だ?仏教の天部衆なんだからインドの神でしょうが。Wikipediaでも名前がサンスクリットに由来するとちゃんと書いてある。んでもって、
原語のMariciは、太陽や月の光線を意味する。摩利支天は陽炎(かげろう)を神格化したものである。
これを「太陽神」とするのってどうだ?太陽神とは「太陽を信仰の対象とみなし神格化したもの」なんだろ?*1
同じことは「ヒンドゥー」の項目の「アグニ」にも言える。その前に。なんで「ヒンドゥー」と「インド神話」とがあるの?同じカテゴリの神が分けて入れられているようにしか見えないし、さらに言えば、「スーリヤ」というのが両方にはいっている。なんじゃこりゃ。で、「アグニ」もどれば、これって火の神だろ?Wikipediaの説明をみれば、
(略)インド神話の火神。
妻はスヴァーハーで、一説によるとスカンダも彼の息子であるという。
アーリア人の拝火信仰を起源とする古い神だと考えられ、イラン神話のアータルとも起源を同じくする。
火のあらゆる属性の神格化であるが、特に儀式に於ける祭火として重視される。 供物は祭火たるアグニに投じられて煙となり天に届けられ、神々はアグニによって祭場へ召喚される。
すなわち彼は地上の人間と天上の神との仲介者であり、リグ・ヴェーダに於いてはインドラに次いで多くの讃歌が捧げられるなど極めて重視される。
また彼は天上にあっては太陽、中空にあっては稲妻、地にあっては祭火など、世界に遍在する。 家の火・森の火、また心中の怒りの炎・思想の火・霊感の火としても存在すると考えられた。
また人間や動物の体内にあっては食物の消化作用として存在し、栄養を全身に行き渡らせて健康をもたらし、ひいては子孫繁栄や財産(家畜)の増大などももたらすとされた。
少々長めの引用だが、確かに文中に「天上にあっては太陽」という記述はある。しかし全体を眺めればわかるように、アグニの原義から派生した意味だろう。これをもって「太陽神」というのはなんか間違っている。
同様に「インドラ」は雷神、「ヴァルナ」は水天宮の水神だろう……おっと、Wikipediaで確認したら「天空神・司法神・水神」とある。いずれにせよ天空神を太陽神と同一視しちゃ駄目でしょ。それなら中国の「天」も太陽神になっちゃう。「ミトラ(ミスラ)」はともかくなんで「ヤマ」まで?ヤマって閻魔だぞ。人祖にして冥界の神様だぞ。あ、「ヴィシュヌ」は元々「太陽光線の神格化」だったんだ。へー。 *2
古くはリグ・ヴェーダにもその名の見える起源の古い神格で、世界を三歩で踏破する自由闊歩の神だった。その名はサンスクリットで「広がる」「行き渡る」を意味する (略)に由来し、恐らくは世界の果てまで届く太陽光線の神格化であったと考えられる。そのため後には太陽神アーディティヤの一人ともされた。最終的には他の太陽神スーリヤを取り込んだ。
北欧の「フレイ」も「太陽神」なのかなあ?
ここまでくると、こういう通り一遍の理解ではない、なんか深遠な理屈があるんだろうかとも思ってしまう*3。