Terror

http://www.sankei.co.jp/news/060810/kok072.htm

英で航空機爆破計画阻止 最高レベルでテロ警戒

 英政府は10日、英国から米国に向かう航空機を爆破するテロ計画を事前に阻止したと発表、国内のテロ警戒レベルを5段階のうち最高レベルに引き上げた。ロイター通信によると、米政府もテロ警戒レベルを上げる方針。
 英BBC放送によると、ロンドン警視庁は同テロ計画に関連し、この数カ月で18人の容疑者を逮捕。爆発物を手荷物として持ち込み、航空機を爆発させる計画があったもようだと伝えた。リード内相は、さらなるテロ発生の懸念があるとして、同放送で警戒強化の政府方針を説明した。

 英国内の空港は10日から警備を強化。航空機の客室内に手荷物を一切持ち込ませないなどの特別措置が取られるという。

 英BBC放送によると、ロンドンのヒースロー空港は10日、航空機の着陸を認めない措置を取った。同空港に向け、既に他空港を離陸した便は除くとしている。(共同)

(08/10 17:29)

旅客機10機爆破計画 英警察が25人一斉逮捕
 【ロンドン=蔭山実】英国から米国に向かう民間航空機の空中爆破を狙った大規模テロ計画をつかんだロンドン警視庁9日夜から10日朝にかけ、ロンドンやバーミンガムなどで25人を一斉に逮捕、うち21人を拘束して取り調べている。英BBC放送によると、21人はパキスタン系英国人という。液体の爆発物を機内に持ち込んで爆破させる計画だったとみられる。英内務省はテロ危険度を最高度の「危機」に引き上げ、利用客数世界3位のヒースロー空港への着陸を禁止するなど、厳戒態勢を敷いた。
 犯人グループは「最大で50人にのぼる可能性」(米テロ対策高官)があり、チャートフ米国土安全保障長官は「国際テロ組織アルカーイダによるたくらみであることを示している」と関与の可能性を指摘した。

 同警視庁は9日夜から、ロンドン北部の2カ所と英中西部のバーミンガムの1カ所で容疑者らが居住していたとみられる民家を捜索。テロの証拠をかなり押収したとみられるが、爆発物は捜索前に別の場所に移されたとの情報もある。

 リード英内相は10日の記者会見で、拘束した21人の中にテロ計画の中心人物はすべて含まれているとの見方を示した。BBCテレビによると、犯人グループは同時に3機前後の航空機を狙い、連鎖的に約10機を爆破する計画だったという。数人は搭乗寸前で、チャートフ長官は「実行の最終段階にあった」と述べた。

 ロンドンでは昨年7月に中心街で地下鉄とバスを狙った同時テロが起き、市民52人が犠牲になった。このときもパキスタン系英国人ら4人が犯行にかかわっていた。

 リード内相は10日朝、テレビ声明で「多くの航空機を空中爆破させて大量殺戮(さつりく)を狙った重大事案だった」と語った。同警視庁によると、数カ月前に民間航空機爆破テロ計画の端緒をつかみ慎重に捜査を進めてきた。

 リード内相はテレビ声明でテロ再発防止に全力で取り組む姿勢を強調、異例の措置を取ることに対する英国民の理解を求めた。アレクサンダー運輸相も同席し、各空港での警戒強化と、パスポートや財布などの貴重品を除いて手荷物の機内持ち込みを禁止する方針を表明した。爆発物に液体化学物質が使われたとみられることから液体の持ち込みが厳禁されている。ヒースロー空港ではすでに同空港に向かっている便は除き航空機の着陸を認めない措置をとった。

 英内務省は10日、5段階で示すテロ危険度をこれまでの「重大」から最高度の「危機」に引き上げた。これはテロ攻撃が差し迫り、英国がテロの脅威にさらされる可能性が極めて高い状況を示すという。

 中南米カリブ海で夏季休暇中のブレア英首相は休養先で報告を受けた。首相官邸の報道官によると、テロの標的に米国の航空機も含まれていたことからブッシュ米大統領にも連絡した。米テロ対策高官によると、ユナイテッド、アメリカン、コンチネンタルの3航空が狙われたという。

(08/11 02:08)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060810it08.htm

英で航空機爆破テロ計画を摘発、21人逮捕
【ロンドン=森千春】英警察と国家保安部(MI5)は10日、複数の英国から米国への航空機に対する爆破テロ計画を摘発し、21人を逮捕したと発表した。

 容疑者たちは航空機内に手荷物で液状爆発物を持ち込み、空中爆破で「大量殺人」を行う計画を立案。AP通信などによると、ユナイテッド、アメリカン、コンチネンタルの米系3航空会社の最大10機が標的となり、数機ずつ同時爆破を繰り返す波状テロ攻撃が想定されていたという。

 計画が実行されていれば、昨年7月のロンドンの地下鉄・バス同時爆破テロを上回る惨事となったのは確実で、衝撃が広がっている。

 リード内相は10日朝、テレビを通じて声明を発表し、英当局が「英国と友邦に対する重大な脅威」を阻止したと述べた。英政府統合テロ分析センターは同日、テロ警戒レベルを初めて最高の「危機的」に引き上げ、国内の全空港で厳戒態勢を敷いた。

 容疑者21人は、ロンドンやロンドン西方テムズバレー、イングランド中部バーミンガムで逮捕された。

 英警察は、逮捕された21人の身元を明らかにしていないが、英PA通信は、多数はパキスタン系英国人だと報じた。専門家の間でイスラム系テロ組織の関与の可能性を指摘する声が出ている。

 英政府のテロ警戒レベルは5段階で、これまでは2番目の「深刻」だった。リード内相は、10日昼の記者会見で、「テロ計画の主要メンバーたちは逮捕した」と明らかにしながらも、市民の安全を確保するために、警戒レベルを引き上げたと説明した。

 テロ計画発覚を受け、ヒースロー空港をはじめ英国の空港は厳重な荷物検査などで混乱。欧米で航空便の運休が相次ぐなど、空の足は大きく乱れた。

 カリブ諸島で休暇中のブレア英首相は10日、談話を発表し、容疑者逮捕は、英警察とMI5の「長期間の捜査」の成果であり、米当局から「多大な協力」を得たと明らかにした。首相官邸報道官によると、首相は、ブッシュ米大統領に電話で、テロ計画と捜査状況について説明した。

          ◇

 英警察などによる爆破テロ計画摘発を受け、国土交通省は10日、国内の航空会社や空港管理者らに対して、保安対策を徹底するよう指示した。現段階では、国内の空港などでの警戒体制は通常時の「レベル1」を維持する方針だが、手荷物検査などを再徹底し、特に液体については注意するよう求めた。

(2006年8月11日2時1分 読売新聞)

産経の第一報?(キャッシュにあった)の18人/数ヶ月ってのは、25人逮捕21人拘束とは別枠なんだろうか?


いずれにせよ、日本で同様なテロが計画されていた場合に、同じように事前に食い止めることができていたであろうかと考えると暗澹たる気分になる。
実際問題ここまで行うためにはさぞかし多くの「人権侵害」を伴っていたことであろうが、英国ではおおむね必要悪というか、最悪の事態を防ぐためには已むを得ざるものと認識されているように思われる。そしてジャーナリズムも、すくなくともクオリティペーパーではその範囲を大きく逸脱していないように思われる。
日本でも、一般市民*1の認識的には本来同じようなものではなかろうか。しかし「世論」のレベルでは、まるっきり異なるように思われる。共謀罪しかり、市中の監視カメラしかり、…。ジャーナリズムのクオリティに違いがあることはまず間違いがないとは思うのだが、さて、本当にそれだけか?


追記:http://d.hatena.ne.jp/akiko_uk/20060811

また今日会社ではビルの管理会社から2つの通知がありました。ひとつは「テロ未遂事件の発生を受け、ロンドン市内も警戒を強化しています。ビル内で不審人物や不審な行動を見かけたら直ちに警備員に通報して下さい」というもの。そしてもうひとつは「郵便物に見せかけた爆発物(液体状の爆発物を収めた小包)がケンブリッジ市内で発見されました。郵便を取り扱う職員は十分に注意を払ってください」というもの。

おやまあ。詳細がどっかにおっこってないのかな。(その前にとりあえず仕事しろ(^^;;;;)

*1:もちろん英国でも文句や、陰謀論的な意見がないわけじゃないことは知っているし、BBCのBBSなんかを見れば、具体的に確認できる。