動物のエラ

こちらははっきりとソースが明示された記事。

朝日新聞web版12/07 16:56の『陸上動物の副甲状腺に「エラ」の痕跡』によると、

…エラは、肺で呼吸する陸上動物では首にある副甲状腺として残っていることが、ネズミなどと魚の比較研究でわかった

とのこと。国立遺伝学研究所の岡部正隆助手らが近くProc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.(電子版)に発表するとか(そう、このように書いてよ)。

以下引用。

副甲状腺は筋肉の収縮や神経の情報伝達などに欠かせない血中のカルシウム濃度を感知し、調整する。海水から直接カルシウムを摂取する魚には副甲状腺がない。

岡部さんらは、ニワトリやネズミの副甲状腺で働く遺伝子「Gcm2」について、硬骨魚のゼブラフィッシュや軟骨魚のトラザメを調べた。すると、この遺伝子がエラで働き、これがないとエラがきちんとできないことが分かった。受精卵から成長する過程では、副甲状腺もエラも同じ部分からできることから、エラが副甲状腺に変化したと結論づけた。

ということだそうな。最後の一文からすると、卵の領域などから発生学的に関連が推察されていつつも、決定的な証明はされていなかったって類いの仮説に対して、大きく踏み込んだって類いの発見だろうか。

なかなか背景知識も要りそうだから、日本語の総説の良くまとまったものとかが出たら読んでみたいな(そんな逃げ腰でどうする(^^;)。

(09/Dec/2004登録/同時登録:07, 08/Nov/2004付)