今西「進化論」

  • 棲み分けは「競争」を含まないか

そんなはずはない。同一のニッチに複数の種が共存することはない。同じ地域に同じ様な食性の生物種が「共生」している場合、くわしく調べれば「食べ分け」をしているのだ。
すなわち「棲み分け」が主張しているのはニッチ間での資源の争奪はないという当たり前の事に過ぎない。同じ資源を共有している場合、一方は必ず排除される。例えば日本におけるモグラの種の変遷を見てみるがいい。特定地域の特定のニッチにおいては多様性は維持されない。地域的に排除されるか、そのニッチから排除されるかだ。後者を「棲み分け」と呼ぶのは自由である。しかし、それは対立概念とはなり得ない、相対的に小さい概念にすぎない。

  • 種は変わるべきときが来れば一斉に変わる」とか個体ではなく種が主体という考え方とか

生物学を宗教や哲学ではなく科学として扱う以上、こんな論点が黙殺されるのは当たり前である。これらはその現象が成立することを保証する機構についてなんら情報を与えない。

てゆーか、これって「素人」が進化論に対していだく誤解の典型じゃん。種がまとまって変化するようなイメージで進化を語るのって、進化論が専門の人からみたら、度し難い偏見であり、そんなのを科学や哲学のようにしてしたり顔で語る今西「進化論」伝道師が「迫害」されるのって当然じゃない。


むしろもっとキチンと持続的に論破することが必要なのではないか。

科学の人はもっと一般の人に言葉を通じさせる努力をしなければいけない、って例の一つなんじゃないかと思う。