『太宰治に井伏鱒二、徳富蘇峰も…御坂峠遠望「まるで注文どうり」の富士山』

産経が見出しで恥ずかしいことをしている…のかと思っていたら、こともあろうに太宰の引用と称して以下のようなことを書いていた。

太宰治はこの絶景を「まるで風呂屋のペンキ画だ。どうにも注文どうりの景色で」と「富嶽百景」に書き残した。

太宰がまさかそんな言葉遣いをしていたんだろうか?と一瞬疑って青空文庫を見てみた。該当する箇所は青空文庫では以下のようになっている。

これは、まるで、風呂屋のペンキ画だ。芝居の書割だ。どうにも註文どほりの景色で、私は、恥づかしくてならなかつた。

産経の「牧井正昭」という記者は、「どほり」を現代仮名遣いで「どうり」と書くと思っているようだ。へー。産経はこんなんで記者やれるんだ。校正も通っちゃうんだ。

ついでに「」で囲んだ部分は普通要約ではない引用だと受け取るんではないだろうか。「芝居の書割だ。」の部分を削りたい気持ちは理解できるけど、文章で飯食ってる人間ならもっとうまく処理しろよ。

呆れた。