『ロシア宇宙局、宇宙ゴキブリは地球のゴキブリよりも成長が早く活動的』

Technobahnの標記記事によると、

【Technobahn 2008/1/18 19:26】欧州宇宙機関ESA)とロシア宇宙局が共同で打ち上げた宇宙実験衛星「Foton-M3」のカプセルに搭載され12日間に渡って地球の周回軌道上で宇宙線などの影響下に晒されたゴキブリが生んだコドモの生態研究により、これらの宇宙ゴキブリは地球上のゴキブリに比べて成長が早く、また、活動的になるなどの変化が生じていたことが18日までにロシア宇宙局の発表により明らかとなった。

とあるが、具体的にどのような実験であったのだろうか?気になるのは以下の点。

Foton-M3は2007年9月14日にロシアのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた微小重力実験衛星。衛星の中には43個のカプセルが搭載され、微細重力下を利用した様々な実験が12日間に渡って実施された後、カプセルは大気圏に再突入し、無事に回収が行われた。


今回、観察の対象となったのは学生が企画した生物観測用のカプセルに搭載されていた60匹のゴキブリの中で生きたまま回収できたゴキブリ。このカプセルにはスナネズミのような小型の哺乳類からバクテリアまで様々な生物が搭載されていたが、ほとんどの生物は宇宙線などの影響のため、帰還して回収される前に死滅。比較的、環境適応能力の高いと見なされていたゴキブリに関しても地上で回収された際に生きていたのは半数の30匹しか居なかった。

国際宇宙ステーションでの被曝量は一日1mSv程度と推定されていたはず。この程度の線量率で12日宇宙に居た程度では、どの生物にとっても死滅するような線量とはならぬだろう*1


実験と言うことで、バンアレン帯辺りを長く飛んでたんだろうか?それとも『宇宙線など』の『など』の部分か?


とりあえずざっとネットをあさった限りではこの辺りの情報が得られなかったので、続報に期待。

*1:例えば全線量を極短時間に一発当てた場合(最も線量当りの影響が大きいとされる場合)でも、人やマウスの致死線量は数千mSVオーダーと、100倍以上、1000倍近く異なる。