『まだ冠詞とかいう人が居る』考

100字では足りずにエントリに。


標記に引用したタイトルの表現がまさに物語っているように、要はこのdisが「まだ冠詞なんて言ってる。へへん、おっくれってるー」(超意訳)であるのに対し、そのdisの対象となってるエントリ *1での言及内容が定・不定の概念を理解するためのtipsに過ぎない辺りが話のかみ合わなさではあるまいか。

「まだ冠詞とかいう人がいる(=もうそんな物忘れてしまえば楽になれるのに)」

とはいっても、限定詞という上位の概念が提示され、それを中心に言語理論が組みなおされているってだけであり、実態としての冠詞(aやthe)というくくりがなくなったわけじゃないように見えるのだけど。定性による区別が明示的な言語を使用するには、定性を忘れるのではなく、理解が必要なんではあるまいか。


日本語は文法として明確な限定詞を持たない。それでもWikipediaの記述を眺めていると、指示限定詞、疑問限定詞については「こそあどことば」、所有限定詞については形容詞の方で、数量詞についても概ね一対一で翻訳可能なことばがあるのに対し、定不定をあらわす冠詞については対応する言葉も構文も特になく、定性は日本語の文法には明示的に含まれていないように思える。


その母語の延長では理解できないものを、言語学的に理解するためではなく、実際に使用するための指針として理解するためのTipsを『まだこんな独自理論を編み出して自身を納得させなければならない』などと見下して評するのはどうよ?

*1:正直内容を理解したとは言いがたいがw。これでも昔SmallTalk Smalltalkとかはおべんきょしたんだが殆ど残っていないなあ。