『火力発電停止公表せず』の件が結構真面目にわかんないんだが

どういう問題であるかは↓『続きを読む』以下の新聞記事の引用参照。



これらも含めて、とりあえず色々ウェブを眺めている限り、

東電と新日本製鉄が共同出資する発電会社君津共同火力の5号機が突然止まり、予定していた30万キロワットの電力を東電に送れなかった

のを緊急措置発動の理由に挙げなかったことを非難しているように見える。*1



しかし例えば、

会議に間に合わなかった同僚/部下/上司から、「会議の開始時間ぎりぎりに間に合うはずだったのに、ホームで駆け込み乗車しようとしたやつが居て、そのトラブルのために電車が遅れた」、といわれたらどう思うだろうか。

私なら『言い訳すんな』、『人のせいにすんな』と思う。



電車のトラブルが問題なのではない、 = 君津共同火力の有無が問題なんではない、*2


余裕を持って早く出ないのがいけないのだ。 = 発電容量に余裕がないのが問題なのだ。




じゃあ余裕がないのはなぜか。

東電には君津共同火力しか発電施設がなかったのか?それならばその理屈はわかる。でも違うだろう?


猛暑である中、柏崎刈羽地震の影響でとまっているからじゃあないのか。



主因は「柏崎刈羽」であって、「君津」は最後の一押しに過ぎなくないかい? 全くもって、構造的な問題よりも、末端の「実行犯」ばかりを好んで報道したがるマスコミならではの着眼である。




それとも東京電力が、『私のせいじゃないもん。君津がトラぶったのが悪いんだもん』とでも発表すればよかったのか?



asahi.com:火力発電停止公表せず 東電、電力カット要請の日 - 社会

火力発電停止公表せず 東電、電力カット要請の日
2007年09月02日09時55分

この夏に東京電力電力需給が最も窮迫していた8月22日、東電と新日本製鉄が共同出資する発電会社君津共同火力の5号機が突然止まり、予定していた30万キロワットの電力を東電に送れなかったことがわかった。東電はこうした事実を公表しないまま、顧客に電力カットを求める緊急措置を午後に発動していた。今後、その是非が問われそうだ。


この日、顧客への要請でカットできた電力は14万キロワット。仮に君津5号機が正常なら、電力カットは必要なかった計算になる。東電は「22日に30万キロワットの電力を計画通り他社から受けられなかった事実はある」と認めるが、それ以上の情報については「民間企業同士の契約にかかわる」と公開を避けている。


トラブルがあったのは、東電と新日鉄が50%ずつ出資する君津共同火力(本社・千葉県君津市)のコンバインドサイクル発電機(高炉ガス・コークス炉ガス混焼、30万キロワット)。04年に運転を始めた最新鋭機だ。


22日午前10時1分、燃料ガスを冷やすシャワーの水圧が基準以下に下がったことをセンサーが感知、安全装置が働いて緊急自動停止した。発電を再開できたのは、翌23日午前7時49分だった。


東電は22日午前9時の段階で最大電力を6100万キロワットと予想。ただ、君津5号機の30万キロワットを含む6250万キロワットの供給力を確保できたとし、緊急措置の発動は見合わせていた。


ところが、午前10時に君津5号機でトラブルが発生。予定していた供給力を確保できなくなった。東電は午前10時半ごろ措置発動を決めた。


同日午後0時半から緊急記者会見を開いた藤本孝・東電副社長は措置発動の理由として、(1)需要の伸びが予想より急だった(2)関東地方の気温が雨で下がることが見込めなくなったことを挙げたが、君津5号機のトラブルには触れなかった。


22日に発動された緊急措置は、随時調整契約の履行請求と栃木県の塩原発電所(揚水式水力、90万キロワット)の緊急稼働の二つ。随時調整契約は電気料金を割り引く代わりに需給窮迫時は電気の使用を止めてもらう内容。顧客である昭和電工などが工場の操業を一時ストップしたほか、東京製鉄も操業のペースダウンを強いられた。

「最も厳しい日」火力発電停止、東電公表せず使用削減要請 : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「最も厳しい日」火力発電停止、東電公表せず使用削減要請


東京電力の電力供給が今夏で最も厳しくなった8月22日、東電が新日本製鉄と共同出資する君津共同火力(千葉県君津市)の5号機が緊急停止し、電力30万キロ・ワットを東電に送れなかったことが2日、分かった。


東電は「企業間の契約にかかわる」としてこの事実を公表せず、22日、電気の使用を減らすよう事業所に求める緊急措置を17年ぶりに取った。東電に通報義務はないが、工場の操業を一時停止するなどで協力した企業にも知らされていなかった。


君津5号機は22日午前10時ごろ、燃料ガスを冷やす水圧が基準値以下に下がり、安全装置が作動して緊急自動停止。運転再開したのは翌23日朝だった。


東電は22日午前9時、同日の最大電力需要を6100万キロ・ワットと予想したが、君津5号機の30万キロ・ワットを含む6250万キロ・ワットの供給力を確保できたとして、当初は電気使用を減らしてもらう緊急措置を取らなかった。その後、午前10時ごろ、君津5号機でトラブルが発生。東電は午前11時半、23工場に対し、電気使用の削減要請を始めた。


東電は「削減要請は、気温上昇で電力需要の急増が予想されたためで、君津5号機の停止が契機となったわけではない」(広報部)と説明している。

(2007年9月2日23時39分 読売新聞)

*1:隠蔽だという主張については更に分からん。なにがどう隠蔽されて、それがどう問題だというのだ?解説してくださる方がいたら歓迎。

*2:トリガーの問題じゃない