古本

本を愛でる人間にとって、たとえ何十何百何千という数になろうが、個々の本が愛すべき対象である。その寵愛の度合いを支配するものとしては、内容が当然一番となろう。心通わせられぬ相手とは愛を交わすことなどできまい。ただ、どんなに内容がよくとも、人間というものは、どうしても外観に影響を受ける。それに加えて、履歴というものもまた影響を与えるものであろう。

本には四種類ある。

  • 新刊本
  • 新古本
  • 誰かが所有していた本
  • 図書館など公共の場にあった本

新古本は流通経路が異なるだけで、事実上新刊本と同じである。

誰かが所有していた本というのは、多くの人の手に触れたわけではないが、誰かに深く抱かれた経歴を持つ。いわば再婚。

さて、公共の場にあった本というのは何だろう。軽く浅い接触を、数多くの人とこなした経歴を持つ本である。同じ比喩を使うならば、いわば売笑上がりであろうか。ただ、図書館の本には時として、公の仕事についているもののオーラみたいなものを感じることもある。聖娼に近い感覚なんだろうか。

ちなみにかつては同じ程度の外観であれば、図書館の本よりも古本屋の本の方に、「穢れ」を感じていた。
今はそれが逆転している。


昔の街の古本屋と、Book Offのような本の「管理」がよい「古本」屋との違いもあるかもしれないが。


とりあえず書きかけだけど以上、昼休みの手慰み。