無神論と汎神論

多くの日本人は自らのことを無宗教無神論者「atheist」だと思ってしまうことが多いという。私も(言霊におびえたり、さらにはしっかり浄土真宗法名まで貰っていながら(笑))自らのことをそう思っていた時期があった。
学生時代に先輩から、外国で無宗教「atheist」であると公言することは神を否定すること(相手の宗教を否定すること)と同義となることがあるから気をつけろといわれたことがある。ではどうこたえれば良いのか、と聞くと、その先輩は、自分は「animist」だと答えているといわれ、その時は納得した。
アニミズムも「汎神論」と訳されることがあるようだが、別の訳し方でいえば「精霊信仰」となり、これはこれで日本人の神道感は表せているようには思うが、それでもなんとなくしっくりこない。
しっくりこないのは、自然物の神性(本来のアニマ?)にも、本地垂迹によって受容した仏教にも、キリスト教など外来の神々(一神教の「God」を神に含めるのって本来は非常に失礼だと思うが(笑))にも、そのすべてに事実上等価な価値を与えている自らの心のありようを表すのには、いささかカバーしている範囲が狭いように感じるからだ。
ここはやはり特定の価値観に重点を置かず、中立的に汎神論者「pantheist」と言っておくのが実態に即しているように感じる(本当に感じられるほど英語の語感がわかるわけではないんだけどね(^^;)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%8E%E7%A5%9E%E8%AB%96

万物に神性が宿るならば、神性の有無を論じるのは無意味であって無神論と分類される場合も少なくない。

無神論的だと勘違いしやすい心のあり方に実にあっているように思える。