ギャング・オブ・ニューヨーク

正月休みに見にいきました。
とにかくあそこまでスプラッタの話だとは思わなかったというのが見ている最中からの感想。正直げんなりとしました。
私はなるべく事前に情報を得過ぎないようにしておきます。学生時代から、授業においても予習は感動を損ねるとの信念に基づきそのような方針でおりました。といってもどんな映画か分からないと選びようがないので、ある程度さし支えないと思える範囲で情報を得ておいて、見にいく映画を選ぶわけです。
予告編や映画館にはってあるような簡単な映画評なんかは、基本的にその範囲で映画の雰囲気を教えてくれると思っていました。TV-CMはちょっと微妙なところですけど、基本的にねたばれはしないし、どういったターゲットにこの映画を見せたいと思っているのかの判断材料にはなると思っていました。でも今回は、そのいずれからもあそこまで流血ばかりの血腥い映画だとは分かりませんでした。
(映画館の映画評は今回のギャングオブニューヨークについては新百合ガ丘ワーナーマイカル


思えばロード・オブ・ザ・リングも同じパターンでした。原作は大部の三部作だってのは知ってました。でも当初の宣伝では、どこにも第一部とも第一章とも出ていなかったし、映画も三部作構成だというのが(少なくとも耳に入りやすい形では)広告されていなかったと思います。
正直上映時間も知らずに、何気なく見にいってしまいました。しかも基本的に吹き替えが嫌いなので字幕で。
当初はホビットの庄などの美しい景色や凝った映像に見入ってみていることができました。しかし、徐々に字幕に展開されるドラマからは必然性の感じられない陰鬱で単調な残酷なシーンばかりが繰り返し繰り返しあらわれるようになり、そのくせ物語は一向に進まず、2時間を過ぎたあたりからはいつどのようにケリをつけるのかばかり気になる始末。ついにぷつんと何の落ちもなく映画は終わり、妻と二人呆然としてしまいました。基本的にクレジットを全部見るまで席は立たない主義なのですが、このときばかりは即座に席を立ってしまいました。我ながらよくブーイングしなかったと思うくらい。
後で情報を集めてみれば、まず字幕版を見たというのが大間違いだったらしいですね。これはある程度しょうがない。仮に事前に字幕版の噂をある程度知っていても、基本的に吹き替えがあまり好きではないので、字幕版を見にいっていたでしょう。ある程度は字幕というメディアの限界もあると思うし(それだけではないと思うが)。
長いってのも上映時間の情報は別にネタばれになるわけでもないので、これを調べなかったのは私の落ち度ですね。
しかし、許せないのは第一部であると分かる情報をくれなかったこと。そうと知っていればまだ心構えはできました。知らずにいきなりあんな終わり方をされちゃあ、逆に続きなど見たくなくなりますよ。三部作の第一部で未完だからと見るのをやめる連中が出ることを心配したのかもしれませんけど、バカなことをするものだと思っています。
DVDとかで吹き替え版を見てみたい気もないわけではありませんが、それ以上に映画館で見たときの悪印象が強くて、手を出す気にならないでいます。


で、ギャングオブニューヨークに戻れば、個人的には二度と見たくないという意味で最低ランクの評価。映像演技物語などそれぞれ見るべきところはあるとは思いますけど、本当にあそこまでスプラッタにしなければあのテーマを描けなかったの?と。特にエンディングにカタルシスがなさすぎます。
でもそれ以上に、今回もとにかくだましてでも客を集めれば良いという宣伝の仕方がひどすぎると思っています。


余談ながら、タイトルについて、英語をカタカナに置き換えるだけなら、それはそれである程度忠実にしてほしい。複数形と単数形じゃ意味が違ってくるじゃない。The lord of the rings(そもそもなんで既に馴染まれている「指輪物語」じゃ駄目なの?)にしろGangs of New York.にしろ。
(言及用に転載)