「potasiumchの日記」さんの「「なぜ日本の車はみな逆走しているの?」」というエントリ*1で、アメリカ人のこのような意見が紹介されていた。
「なんで日本の車はみんな逆走してるの? あれ気持ち悪くない?」
第一文の疑問は誰もが普通に感じることだろう。逆走という台詞をアプリオリに持ってくるあたりの無神経はともかく。*2
「でも現代的な自動車はアメリカ起源の技術であり文化だからアメリカのやり方が標準であっていいはずなのに、どこで逆走させようと思ったの?」
私も、ブログ主さんがお答えになったとおりに、日本はイギリスから交通ルールを導入したから、「車は左」と聞いている。*3
ではなぜイギリスは「車は右」の欧州大陸とは異なって「車は左」なのか。
ナポレオンに征服されなかったからである。
と、ここまでは知ってたんだが、そもそもなんでナポレオンのフランスでだけ「車は右」だったんだろう。そう思って今回ぐぐってみたところ、このようなページを見つけた:「左側通行と右側通行」
こちらによると、以下のような経緯があったらしい。以下表の記述を引用。
まずは欧州における歩行の左側規則。
法王ボニファチウス8世は、西暦1300年の最初の特赦の年を布告するに際し、゛すべての道はローマに通ず゛と宣言し、ローマへの巡礼に道路の左側を通行するように指令した。
フランス革命後に右側歩行。
反カソリックのロベスピエールや彼のジャコバン党員たちは古来の法王の左側通行指令に憤慨し、パリ市民に右側運転(ママ)を普及させた。
注)運転は翻訳ミスと思われる。
ナポレオンによる人・車の右側通行強制
ナポレオン1世は、彼の軍隊の交通に、その厖大な補給用車両ともども、右側通行を命じた。そして市民も軍隊のそれに倣った。ナポレオンの征服した多くの国々で、右側通行がルールになりそして現在もそうである。
「wrong side」扱いされるような歴史的経緯でもないと思うがな。
■追記
ただし同サイトによると、車に関しては、技術的な理由もあるようだ。中世までの小型の馬車については利き手を自由にする関係上車の右側に御者が座り、左側通行となり、イギリスではこれが近代まで持ち越された。一方、18世紀末に普及した多頭引き大型馬車の場合には、利き手で全部の馬の制御をする関係で左側に座り、右側通行になり、これが他の多くの国が右側通行を採用するに至った経緯ということも触れられている。