日本は元寇以外攻められたことが無いだって?

ペガサス・ブログ版」の「簡にして要を得た九条論」より。「簡にして要を得」ているかどうかはさておき、事実認識にそもそも誤りがあるように見受けられるんだが。以下に記事中に転載されているものの該当部分を引用。佐賀新聞に2007年2月6日に掲載されたものとのこと。強調および注釈は引用者。

改憲論の第二の論法は、もし日本が外国に攻められた時、黙ってながめていいのか、の論である。しかしこれは非常に非現実的な仮定でしかない。わが国が歴史上攻められたのは元寇の乱*1以外にない。反対にわが国が他国を侵略したことはいっぱいあるが。一触即発の環境があるとすれば、それは九条をなくして武力行使を世界に宣言することにあろう。

元寇を例に挙げているから近世より前に限定しても、大きな事件だけでもこれだけあるんだがね。何を言っているんだか。


以下はとりあえずコメントアウトしていたのだが、例によって(以前直接書き込んだこともあるんだが)異議をとなえる者に対しては放置という対処法のようなので、出しておこう。


これらの例示に対して、国と国の戦いじゃないとか、倭冦を引き合いに出したりしたら面白いんだが。まあ返事はないんだろうがね。過去の経緯から見ても、都合の悪いことは無視するタイプのようだから。


前者に対しては、ノルマン・コンクエストは攻められたことではなくなってしまうし、倭冦は日本人集団の襲撃とは限らない…というより後期になれば大部分は中国・朝鮮人というのは既に歴史の常識。

*1:元寇:1274年文永の役および1281年弘安の役。本文ママ。ちなみに「乱」は政府・現政権に対する“反乱”や“武力による抵抗”という意味合いで用いられる用語だから、元が当時の日本の支配下・影響下にあったことを意味することになって不適切。「寇」が侵略を受けたことを強調した戦争の意だから乱をつける必要も無い。

*2:8〜11世紀。組織的な大集団も多く、国家あるいは強大な私豪族の関与も疑われる事例がすくなくない[wikipediaより引用]。

*3:1019年に満洲中国東北部)を中心に分布した女真族満州民族)の一部が壱岐対馬を襲い、更に筑前まで攻めてきた事件[wikipediaより引用]。

*4:1419年(応永26年)に起きた、李氏朝鮮軍による対馬国襲撃[wikipediaより引用]。李氏朝鮮上皇太宗の命令によるもの。