あるある「大」実験

先日珍しく「あるある大事典」の、さらに珍しいことに「秋の芸能人血液型スペシャル」なるものを見ていた。例によっていいかげんなデザインの「実演」レベルの「実験」が紹介される中、珍しくもまともなデザインの実験があった。

その実験のデザインをしたのは、基本的には血液型による差異には懐疑的と述べた人(名前忘れた)。
光の刺激に対する脳波の挙動を調べる実験を、各血液型の男女各5人について行ったという物(多分)。おお、統計処理が最低限出来そうな実験じゃん、まともな実験も出来るんではないか、と思ってみていたら続く言葉が

測定3日、解析7日の実験

それでを名乗るか?(^^;

まあそのレベルの事を、テレビ局に言ってもしょうがないのかもしれない。問題は内容である。結果についても、データは面白い。が、その紹介の仕方は納得行かない。

グラフが示される。エラーバーがないのは仕方がないとは思うが、そういうグラフなので各点の有意差などはわからない。

まずA型とO型では光刺激で『脳の興奮度(という言い方だったか?詳細は不明)』が上がり、光刺激がなくなってもさらに上昇が続くという物。定性的にはその言い方で正しいように思った。とはいえ、AとOではどっちがどっちかは忘れたが、その上昇度はそこそこ差がある(番組中では触れず)。

ついでB型の結果が紹介される。光刺激を受けたときの上昇度はA,Oに比べてずっと低く、「反応が鈍い」というような表現だったように思う。そのわずかな上昇も、光刺激が終わったときに刺激前の状態に戻ってしまう。

最後にAB型の結果が紹介される。光刺激を受けたときの上昇度はA,Oに比べてずっと低いのだが、Bよりは若干高い。画面上ではほとんど同じ様な位置に見えたが、紹介の仕方はBとは異なり「反応は示す」というような表現だったように思う。光刺激が終わったときにはB同様刺激前の状態に戻ってしまう。

はじめに述べたようにエラーバーがないので何と何がどの程度の有意差で差があるのかわからない。が、上に紹介した程度の差異でもって、

http://highlord.littlestar.jp/blog/archives/000209.html

B型は光の動きに反応が鈍く、そのあとはすぐに冷静になる
⇒周囲の状況に左右されず自分のペースを貫く
AB型は、光の動きに刺激を受けるが、そのあとすぐに冷静になる
⇒周囲の状況に反応は示すがすぐに自分のペースに戻る

ってほどの差が言えるか?とても言えるほどの差には思えなかったぞ。無理やり表現レベルで差を作ったんではあるまいな?

AOの差については言及はなし。でもまあどうでもいいや。どうせこの手の番組って、「多数派」であるAとOが少数派であるBとABを「合法的」に差別して楽しむ番組だもんな。